展覧会 開催中

よみがえる画家-板倉鼎・須美子展

会  期:
2017年4月8日(土)〜2017年6月4日(日)
時  間:
10:00~18:00
(入館は17:30まで)
休館日:
月曜日 
観覧料:
一 般 800(600)円
大高生・65歳以上 600(500)円
小中生 無料
障がいのある方は半額・その付添者1名は無料、(  )内は20名以上の団体料金。目黒区美術館では、開館30周年を記念して区民割引を実施いたします。目黒区内在住、在勤、在学の方は、受付で証明書類をご提示頂くと団体料金になります。(他の割引との併用はできません。)

主催:公益財団法人目黒区芸術文化振興財団 目黒区美術館

特別協力:松戸市教育委員会

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《展覧会概要》

1920年代、共にパリに留学し魅力的な作品を数多く残しながら、惜しくも早世した板倉鼎(かなえ)・須美子夫妻の画業を回顧するとともに、二人と親交の深かった岡鹿之助はじめ、当館所蔵の、同時代にヨーロッパ留学・滞在中の画家たちが描いた作品で学んだ作家たちの作品をあわせて展観し、これまで一般にはあまり知られてこなかった板倉夫妻を中心に、当館がテーマのひとつとしてきた戦前期の「画家の滞欧」の興味深い一側面をご覧いただきます。

本展は2015年10月10日から11月29日まで、松戸市教育委員会の主催で、松戸市立博物館で開催された「よみがえる画家 板倉鼎・須美子展」を参照して、企画構成にあたった同教育委員会の田中典子さんを監修者にお迎えし、主要部分を再現します。また、同時代の滞欧作家たちの作品および関連資料等については、当館所蔵品を中心に新たに構成いたします。

 

《展覧会の構成と主な出品内容》

第Ⅰ章 板倉 鼎

板倉鼎は1901(明治34)年に埼玉県北葛飾郡金杉村(現在の松伏町)の医者の家に生まれ、子どものころに松戸に転居。千葉県立千葉中学校で洋画家・堀江正章に学び、画家を志した。医者を継がせたかった父との軋轢もあり、1年の浪人生活を経て東京美術学校西洋画科に入学。岡田三郎助、田辺至に指導を受け、在学中の1921(大正10)年、第3回帝展に初入選を果たした。

1924(大正13)年に美術学校を卒業。翌年にロシア文学者 昇曙夢(のぼりしょむ)の長女 須美子と結婚。結婚の翌年1926年2月、須美子とともに横浜港から海外留学に出発。アメリカ経由で目的地パリに向かう途中、ハワイに滞在して現地の風物を描き、現地の日本人会の支援で個展を開催した。

パリ到着は7月で、翌年からアカデミー・ランソンでロジェ・ビシエールに師事。当初の、岡田三郎助の影響のみられる写実から、モダンで華やかな構成的な画面へと大きく作風を変化させ、サロン・ドートンヌやサロン・ナシオナルに入選し。アンデパンダン展やパリ日本人画家協会展にも出品した。パリから作品を送り帝展にも入選するなど、着実にキャリアを積み将来を嘱望されたが、帰国を目前にした1929(昭和4)年9月、歯の治療中に敗血症となり、28歳の若さでパリに客死した。

本展では、現存するものでは最も古い中学校時代の作品をはじめ、温厚な写実による初期作から、一転して明るい色彩を用いたハワイ時代、さらに大きな変貌を遂げたパリでの作品で、知られざる板倉鼎の画業とその魅力を紹介する。

第II章 板倉須美子(旧姓:昇須美子)

鼎の妻・須美子は、1908(明治41)年、ロシア文学者 昇 曙夢(のぼり・しょむ)の長女として東京に生まれ、文化学院創立と共に入学。1925(大正14)年、文化学院大学部を中退、歌人 与謝野寛・晶子夫妻の媒酌で、17歳で板倉鼎と結婚。文化学院では山田耕筰に音楽を学んでいたが、1927(昭和2)年、パリで鼎の手ほどきで油絵を始めると、同年のサロン・ドートンヌにはやくも初入選した。出産・育児など多忙な中で制作をつづけ、翌年にもサロン・ドートンヌで連続入選、日本人画家たちのグループ展に出品した。

1929(昭和4)年、パリで次女と夫を相次いで亡くし、鼎の友人たちの援助で、幼い長女を連れて帰国するが、翌年には長女も松戸の板倉家で病死し、失意のうちに鎌倉・稲村ガ崎の昇家に戻った。その後は再出発を期し、近所に住んでいた有島生馬に改めて絵画指導を受けるが、結核を発症し、1934(昭和9)年5月、25歳でこの世を去った。

本展では、ハワイでの思い出をナイーブな感性でとらえて、独特の魅力をみせるパリ時代の作品を中心に、後年、有島生馬の指導を受けた頃の作品を交え、美しくも短いその画業を紹介する。

第Ⅲ章 板倉夫妻をめぐる画家、文学者たち

板倉 鼎・須美子夫妻をめぐっては、須美子の父でロシア文学者の昇 曙夢、夫妻の媒酌人、歌人の与謝野寛・晶子夫妻をはじめ、文学者など多彩な人々の名が残っている。また鼎の師である堀江正章や岡田三郎助をはじめ多くの画家との関係も興味深い。本展では、こうした板倉夫妻とその周辺の人々の関係について、作品と資料で紹介する。また、岡鹿之助、伊原宇三郎など、パリ時代の板倉夫妻とのかかわりの深い周辺作家等については目黒区美術館にも多数の作品資料があるため、これらを中心として、同時代のパリで制作された作品を加えて、板倉夫妻を取り巻く時代の雰囲気、それに密接なかかわりをもったさまざまな作家たちの創作と相互の関係などを考察する手掛かりとしたい。

 

  • 出品作品数ほか

作品 約120点 (板倉鼎・須美子、岡鹿之助、伊原宇三郎ほか)

その他、資料 約30点

プレスリリースはこちらから

 

――  関連イベント  ――

【ギャラリーツアー】

①4月15日(土) ②5月6日(土) ③5月13日(土)
いずれも14:00~15:00

①②は猪狩智子氏(松戸市教育委員会 美術館準備室臨時職員)

③は山田敦雄(目黒区美術館学芸員)

【記念レクチャー】

「板倉鼎と須美子、二人のタイムカプセル」
講師:田中典子氏(松戸市教育委員会 美術館準備室長)

日程:4月29日(土・祝) 14:00~15:30
当日先着60名

【大人のための美術カフェ】

「1920年代のパリと板倉夫妻」
山田敦雄(目黒区美術館学芸員)

日程:5月27日(土) 14:00 ~15:00

 

※上記いずれのイベントも聴講無料。事前申込不要。
ただし、当日の観覧券が必要です。

※上記内容等は変更される場合があります。

 

 

1_019_small板倉鼎《木影》1922 油彩・キャンバス
松戸市教育委員会蔵

2_040_small 板倉鼎《土に育つ》1926  油彩・キャンバス
松戸市教育委員会蔵

3_047_small板倉鼎《静物》1927 油彩・キャンバス
松戸市教育委員会蔵

5_079_small板倉鼎《黒椅子による女》1928 油彩・キャンバス
松戸市教育委員会蔵

6_100_small板倉須美子《午後 ベル・ホノルル》1927-28 油彩・キャンバス
松戸市教育委員会蔵

7_107_small板倉須美子《ベル・ホノルル24》1928 油彩・キャンバス
松戸市教育委員会蔵

8_115_small板倉須美子《松の屋敷(有島生馬邸)》 油彩・キャンバス
松戸市教育委員会蔵

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