展覧会 開催中

ヨーロッパの木の玩具(おもちゃ)―ドイツ・スイス、北欧を中心に

European Wooden Toys ~ focusing on toys from Germany, Switzerland and Scandinavia

会  期:
2017年7月8日(土)〜2017年9月3日(日)
時  間:
10:00~18:00
(入館は17:30まで)
休館日:
月曜日 
観覧料:
一 般 700(550)円
大高生・65歳以上 550(400)円
小中生 無料
*障がいのある方は半額・その付添者1名は無料
*(  )内は20名以上の団体料金。
*目黒区美術館では、開館30周年を記念して区民割引を実施いたします。目黒区在住、在勤、在学の方は、受付で証明書類をご提示頂くと団体料金になります。(他の割引との併用はできません。)

主催:公益財団法人目黒区芸術文化振興財団 目黒区美術館

協力:株式会社 アトリエ ニキティキ

 

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【概要】

子どもはおもちゃを通して、世界を知っていく-

これは、スイスの玩具メーカーであるネフ社の創業者クルト・ネフの言葉です。
それゆえ子どもたちに美しく優れた玩具で遊んでほしいという願いのもと、目黒区美術館では、1987 年の開館以来30 年にわたって、ネフ社製品をはじめ、良質な木でつくられた国内外のトイを収集し、館内での「トイの日」開催や館外へのアウトリーチ活動を展開。そして、子どもだけではなく大人まで、広範囲の人々に向けた教育普及活動を続けてきました。他方、アトリエ ニキティキは、1971 年の創業以来45 年以上、ネフ社をはじめドイツのデュシマ社、ケラー社等、主にヨーロッパの秀でたデザインと機能性を備えた木製玩具を選び、日本に紹介しています。当館とアトリエ ニキティキ は、優れた玩具の効用に共感し、「立方体の7 つの窓-ペア・クラーセンの世界」展(2003 年)や「遊びのなかの色と形展―クルト・ネフ&アントニオ・ヴィターリ」(2010 年)などの展覧会を実現、協力して互いの玩具コレクションを展示してきました。

 

本展では、木製玩具の魅力を「みる」「遊ぶ」「知る」の視点から紹介します。
まず「みる」では、主に戦後、玩具メーカーによって作られた木製玩具を「手で遊び・考えること」をテーマに、400 点余の作品によって紹介します。こうしたメーカーの玩具とともに、小規模な工房制作によるクラフトの玩具も展示します。現在のヨーロッパにおいて、伝統的な木製玩具生産が最も盛んなエルツ地方(ドイツとチェコの国境付近)で作られたものを中心に展観し、さらにこの地方独特の技術であるライフェンドレーエン(ろくろに固定した木の輪を削り出し、それを分割して複数の動物などを作り出す木工ろくろ挽きの技術)について紹介します。
次に「遊ぶ」では、会期中、実際に展示したものと同種の、手触りの良い玩具で遊べるプレイコーナーを設置します。
最後に「知る」では、「みる」で示したライフェンドレーエンの第一人者であるクリスチアン・ヴェルナー氏(工房名:Reifendrehwerk Christian Werner)をドイツ・ザイフェンからお招きして実演を行い、貴重な技術をご覧いただきます。
本展を通じ、また当館が教育普及活動で大切にしてきた、「手で遊び・考えること」で、ともすれば受け身になりがちな最近の「遊び」から、自分の手で世界を広げていくことについて、思いを巡らせていただければ幸いです。

 

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【展示】

1. 手で遊ぶ、考えるかたち―メーカー製の玩具

まず「手で遊び・考えること」をテーマに、戦後ヨーロッパの主要玩具メーカーによって作られた木製玩具を、ひとつの形が豊かに広がりを持つ「積木」「パターン」「パズル」など、いくつかのトピックを挙げて紹介します。
例えば「積木」は、一片のパーツを縦方向に積み上げたり横に並べたりして遊ぶ一見シンプルな玩具ですが、実は限りない想像力によって、家から街、国、世界へと広がりをもたせることができます。この積木について理論をまとめ、教育における重要性を説いたのが、幼稚園の創始者フリードリヒ・フレーベル(1782-1852)です。球・円筒・立方体を組みあわせたガーベ(gabe(独))は、現在の積木の基礎となって世界中に広まり、我が国でも「恩物」として明治時代初期に受容されました。20 世紀に至っても積木は数多く製作されており、フレーベルの理論に基づいて作られたドイツ・デュシマ社の《フレーベル積木》や、全く新しい発想で作られたスイス・ネフ社の《ネフスピール》や《リグノ》などが挙げられます。
「恩物」や積木のほかにも、色付きのピースを組み合わせて無数の「パターン」をつくるモザイクや、難易度の違う様々な答えを遊びによって探る「パズル」などの豊かな想像力を育む玩具、取っ手の紐を引っ張ったり押したりして遊ぶ「プルトーイ」など自分の行動範囲を広げる玩具や、ガラガラやおしゃぶりといった生まれて初めて出会い、触ることで身の回りを知覚し感覚を拡げる玩具など、400点余を展示する予定です。

2. 愛でる、楽しむかたち―工房制作のクラフト玩具

次に、メーカーのものと並行して作られている、工房制作のクラフト玩具を紹介します。ヨーロッパの玩具の生産と流通は、16 世紀頃、ドイツ・ニュルンベルグで活発になります。玩具売りが各地を巡り、カタログを見せながら受注販売も
行っていました。そして18 世紀以降、それまで主力産業であった鉱山業が衰退する中で、採掘の動力源を転用した木工ろくろによる木製玩具生産が盛んになり、現在では伝統的な木製玩具の最も主要な生産地となっているのが、ドイツと
チェコの国境付近に位置するエルツゲビルゲ(エルツ山地)です。本展ではこの地で作られた玩具を中心に、童話やバレエの戯曲で良く知られる《くるみ割り人形》や、元々はお香の煙によって魔を払う習慣を背景にして作られ、様々な職業の人物を象った《煙出し人形》、数段の多角錐型の最上部に羽根を取り付け、クリスマスツリーの機能を有する《クリスマスピラミッド》、そしてエルツ山地で元々鉱山業が盛んであったことを示す燭台《天使と鉱夫》など、この地方が興隆した背景に触れながら、50 点余の作品を展示します。
そしてこれらの玩具作りに欠かせないのが、世界に類を見ないライフェンドレーエン(ろくろに固定した木の輪を削り出し、それを分割して複数の動物などを作り出す木工ろくろ挽きの技術)です。現在、この技術の第一人者として活躍するクリスチアン・ヴェルナー氏は巧みに動物を削り出し、ミニチュア玩具をはじめ、これら動物を満載した《ノアの箱舟》などを制作しています。氏の作品とともに、ライフェンドレーエンの技術を映像を交えて紹介するほか、ヴェルナー氏の家族および他の工房についても触れ、エルツ山地の現在を紹介します。

 

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【遊ぶ】

会期中、実際に木製玩具で遊べるプレイコーナーを併設します。≪ネフスピール≫≪リグノ≫など、当館で開催するトイの日やアウトリーチでも人気のあるネフ社の玩具のほか、≪モザイク(キーナーモザイク)≫や様々なパズル、斜面に玉を転がして遊ぶ≪玉の塔≫などを予定しています。手触りの良い玩具に触れて、手から広がる世界をお楽しみください。

 

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【知る】

関連イベント

●開館30周年記念ワークショップセミナー
ライフェンドレーエンでつくる動物たち

日程:2017年7月15日(土)・16日(日)・17日(月・祝)・19日(水)
時間:各日 第1回11:00~12:30、第2回13:00~14:15、第3回14:30~15:45(各回入替制)
*15~17日16:00~17:30は公開制作を実施(入退場自由)。19日の実施はありません。
実演:クリスチアン・ヴェルナー(工房名:Reifendrehwerk Christian Werner)
定員:各回50名(先着)
参加費:無料(高校生以上は当日の展覧会観覧券が必要) *事前申込不要

●講演会
「フレーベルの恩物について」

日時:2017年8月27日(日)14:00~15:30
講師:荘司泰弘氏(常磐会学園大学教授)
定員:50名(先着)
聴講料:無料(高校生以上は当日の展覧会観覧券が必要) *事前申込不要

 

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○プレスリリースはこちら

○チラシはこちら

20170708topチラシPDF

20170708_1≪ネフスピール≫
1958 年発表
Naef Spiele AG/ スイス

20170708_2≪フレーベル積木≫
1952 年発表
Dusyma Kindergartenbedarf GmbH/ ドイツ

20170708_3クリスチアン・ヴェルナー
≪キャンドル立て 動物たち≫
Reifendrehwerk Christian Werner/ ドイツ・エルツ地方

20170708_4≪リグノ≫
1962 年発表
Naef Spiele AG/ スイス

4.0.1 JP≪Greiflinge さかな≫ほか
1936 年考案
Meistergilde KG/ ドイツ

20170708_6≪煙出し人形 玩具売り≫ ドイツ・エルツ地方

20170708_7≪クリスマスピラミッド≫ ドイツ・エルツ地方

20170708_8≪ライフェンドレーエン 動物制作工程≫
Reifendrehwerk Christian Werner/ ドイツ・エルツ地方

christian-werner(C)Reifendrehwerk Christian Werner

 

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