展覧会 開催予定 京都国立近代美術館蔵

世紀末ウィーンのグラフィック

-デザインそして生活の刷新にむけて

会  期:
2019年4月13日(土)〜2019年6月9日(日)
時  間:
10:00~18:00
(入館は17:30まで)
休館日:
月曜日 ただし、4月29日(月・祝)及び5月6日(月・休)は開館し、4月30日(火・休)及び5月7日(火)は休館。
観覧料:
一 般 800(600)円
大高生・65歳以上 600(500)円
小中生 無料
*障がいのある方・その付添者1名は無料。
*(  )内は20名以上の団体料金。
*目黒区内在住、在勤、在学の方は、受付で証明書類をご提示頂くと団体料金になります。(他の割引との併用はできません。)

主催:公益財団法人目黒区芸術文化振興財団 目黒区美術館、京都国立近代美術館

〇チラシ PDF 

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目黒区美術館は、1987年の開館以来、近現代の美術だけでなく、生活美術やデザイン、建築といった分野にも着目し、企画展やワークショップの活動に反映させてきました。その中で、2009年に開催した『上野伊三郎+リチ コレクション展―ウィーンから京都へ、建築から工芸へ』は、京都国立近代美術館のご協力により、同館所蔵の、1920年代にウィーン分離派のヨーゼフ・ホフマンに建築を学んだ上野伊三郎とウィーン工房でデザイナーとして活躍したフェリーツェ・リックス(上野リチ)夫妻の作品・資料群を一堂に紹介したものでした。
2015年、京都国立近代美術館の収蔵品には、新たに世紀末ウィーンの優れたグラフィック作品がまとまった形で加わりました。当時のウィーンで生み出された版画や挿絵本とその原画、装丁、壁画の原画など、多様な表現による作品群で、アパレル会社キャビンの創業者、平明 暘(ひらあき いずる)氏が蒐集したコレクションです。 そして、2019年1月から2月にかけて、京都国立近代美術館で同コレクションの全貌が紹介されました。これに続き、今春、目黒区美術館で『世紀末ウィーンのグラフィック』展を開催いたします。
1897年のウィーン分離派設立から1914年の第一次世界大戦勃発まで、世紀末から二十世紀初頭のウィーンでは、グスタフ・クリムトやヨーゼフ・ホフマンらを中心に、新しい時代に相応しい芸術、そしてデザインの在り方が模索され、絵画、彫刻、建築をはじめ数多くの素晴らしい作品が生まれました。中でもグラフィックの分野は、印刷技術の発展や雑誌メディアの隆盛を背景にめざましく発展し、新しい芸術の動向を人々に伝え、社会に浸透させる上でも重要な役割を担いました。
本展は、京都国立近代美術館所蔵の約300件にのぼる膨大なグラフィック作品のコレクションを中心に、同じく平明氏旧蔵のリヒャルト・ルクシュによる石膏彫像と貴重なアドルフ・ロースの家具一式を加え、世紀末ウィーンの息吹と魅力をお伝えします。

 

1. ウィーン分離派とクリムト
The Vienna Secession and Klimt
1897年に、「時代にはその芸術を、芸術にはその自由を」という有名なモットーを掲げてウィーン分離派(正式名称:オーストリア造形芸術家協会)が結成されました。芸術・デザインの刷新を求める彼らが重視した活動が、展覧会活動と機関誌『ヴェル・サクルム(聖なる春)』の刊行です。本章では、各展覧会のカタログと『ヴェル・サクルム』の紹介を通して、ウィーン分離派の根幹をなす活動を概観するとともに、分離派の中心人物であるクリムトやその後継者であるエゴン・シーレとオスカー・ココシュカの素描作品を紹介します。

 

2. 新しいデザインの探求
The Quest for New Design
カラー印刷技術や写真製版技術の発展を背景に、当時、デザイン刷新の参考とすべく数多くの図案集が刊行されました。中でもカール・オットー・チェシュカやコロマン・モーザーが製作に参加した『ディ・クヴェレ(泉)』シリーズやベルトルト・レフラーによる『ディ・フレッヒェ(平面)』で提案された多彩な図案は、今なお新鮮さを失っていません。 本章では、人々を魅了した図案集の数々を紹介するとともに、そのデザイナーの人材輩出の場としてのウィーン工芸学校、活動の場としてのウィーン工房に注目します。さらに建築家たちの新たな取り組みを、オットー・ヴァーグナー、ヨーゼフ・ホフマンそしてアドルフ・ロースの作品に探ります。

 

3. 版画復興とグラフィックの刷新
The Prints Revival and Innovation of Graphic Arts
19世紀における写真の発明は、それまで視覚情報の複製や記録といった役割を担ってきた版画の存在意義を大きく揺るがし、芸術としての版画への模索という動きを生み出しました。その際に積極的に参照されたのが、当時西欧で大きなブームとなっていた日本の多色木版画です。作品として制作された版画は、絵画に比して廉価ということもあり、広く人々の生活を彩ることになりました。 本章では、木版画やリトグラフなど多様な版画手法における新たな試み、そしてその試行錯誤がうかがえる素描の魅力を紹介します。

 

4. 新しい生活へ
Towards a New Way of Life
グラフィックにおける新たな試みは、当時盛んに刊行された美術雑誌や挿画入り雑誌だけではなく、様々な媒体を通して人々の生活へと浸透していきました。日々新しいグラフィック・デザインに触れること、それは生活における新たな意識を生み出すことにも繋がりました。 本章では、ポスターやカレンダー、蔵書票といった日常生活に関わるグラフィックの新たなデザイン、そしてグラフィックの刷新を担った人々がてがけた書籍の装丁や挿画の魅力を紹介します。

 

 

●関連イベント

【講演会 ①】
「世紀末ウィーンとグラフィック ― 総合芸術に見る民主化の試み」
日時:2019年4月20日(土) 14:00~15:30
講師:池田祐子 (国立西洋美術館主任研究員、本展企画者)

 

【講演会 ②】
「世紀末ウィーンの社会と文化」
日時:2019年5月12日(日) 14:00~15:30
講師:山之内克子 (神戸市外国語大学教授 [オーストリア、ウィーン文化史])

 

【大人のための美術カフェ 〈特別編〉】
「様式のない時代は可能か ― 世紀末ウィーンの建築から考える」
日時:2019年5月26日(日) 14:00~15:30
講師:本橋 仁 (京都国立近代美術館特定研究員)

 

*各回とも定員70名(先着順・席に限りがあります)、聴講無料(ただし、高校生以上の入場には当日有効の本展観覧券が必要です)。

 

 

●展覧会図録

下記図録を、本展開催に合わせて、当館1階ミュージアム・ショップおよび当館ウェブサイトのカタログショップで販売いたします。

『京都国立近代美術館所蔵
世紀末ウィーンのグラフィック
デザインそして生活の刷新に向けて』
編集:池田祐子、本橋仁、牧口千夏
発行:京都国立近代美術館 ©2019京都国立近代美術館
定価:2,200円(税込)
B5版 変形サイズ | 391ページ

 

プレスリリースはこちらから

①『キャバレー〈フレーダーマウス〉上演本』 第1号(表紙・装丁:カール・オットー・チェシュカ)1907年

②『キャバレー〈フレーダーマウス〉上演本』 第2号(表紙:モーリツ・ユンク、装丁:カール・オットー・チェシュカ)1907年

③グスタフ・クリムト《ウィーン分離派の蔵書票》 1900年頃

④ベルトルト・レフラー(編)『ディ・フレッヒェ(平面)-装飾デザイン集(新シリーズ) 第Ⅱ巻』1910/11年

⑤ルートヴィヒ・ハインリヒ・ユンクニッケル《三羽の青い鸚鵡》 (連作「シェーンブルンの動物たち」より)1909年頃

⑥フランツ・フォン・ツューロウ《月刊帳 1915年3月版》 1915年

⑦グスタフ・クリムト《右向きの浮遊する男性裸像》(ウィーン大学大広間天井画《哲学》のための習作)1897-99年

⑧カール・モル《ハイリゲンシュタットの聖ミヒャエル教会》1903年

⑨フェルディナント・アンドリ《ライ麦おばさん》(アウグスト・コピッシュ『精選詩集』「ゲルラハ青少年叢書第13巻」のための挿絵)1903年頃

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