展覧会

岡田謙三 パリ・目黒・ニューヨーク 案

概要

展覧会名岡田謙三 パリ・目黒・ニューヨーク 案
会期2026年2月21日(土)~2026年5月10日(日)
休館日月曜日 *ただし、2月23日(月・祝)・5月4日(月・祝)は開館、2月24日(火)・5月7日(木)は休館
時間10:00〜18:00(入館は17:30まで)
観覧料一 般 900(700)円
大高生・65歳以上 700(550)円
中学生以下 無料
主催等主催:公益財団法人 目黒区芸術文化振興財団 目黒区美術館
協賛:公益財団法人 北野生涯教育振興会
特別協力:秋田市立千秋美術館、横浜美術館

展覧会概要

 1920 年代のパリと1950 年代以降のニューヨーク、この二つの都市で創作活動をし、さらに1935 年には目黒区自由 が丘にアトリエを構えて活動した画家・岡田謙三(1902-1982)。その作風はこれらの都市での経験に影響を受けながら 形作られていきました。
 岡田は、東京美術学校(現 東京藝術大学)入学から約2 年後の1924 年にパリへ渡ります。第一次世界大戦終結に より、世界各国から芸術家が集い、活気に満ちたパリでの日々は、若き日の岡田にとって全てが新しく、視野の広がる 経験となりました。モンパルナスのカフェなどに集まって議論していた芸術家たちの仲間に加わり、後に確立する抽象的 な作風の基礎となる考え方にも触れ、さながら「心の訓練のようだった」と振り返っています。1927 年の帰国後は、戦 前から戦後にかけての時代のうねりの中で、これまで培ってきた技巧や様式から離れ、新たに実験の日々を積み重ねて いきます。戦後早々に見据えていた渡米を1950 年に実現させると、ニューヨークでは抽象表現主義の画家と交流を持ち ながら、やがて、淡い色面を組み合わせる独自の作風を確立させました。自身の根源的な感性への回帰の中に築き上 げた静謐で力強い表現は、パリとニューヨーク、そして目黒のアトリエでの模索の日々を抜きに語ることはできないでしょう。 本展は、岡田の画風の変遷を三つの都市での経験からたどります。

【みどころ】
  1. 岡田謙三記念館を有する秋田市立千秋美術館、出身地としてゆかりのある横浜美術館ほか、複数の 公立美術館からの貴重な作品・資料と、当館のコレクションを合わせて、具象から抽象的な作風へと変遷していく岡田謙三の画業をご紹介します。
  2. 2m を越える大作が多数出品され、迫力のある展示となります。
  3. 画材や素材、コラージュやフロッタージュ等のエスキース、友人・知人との交流が窺える写真資料など、 人物像や制作の様子を伝える資料もあわせて展示します。
目黒のアトリエで制作された初期の具象絵画(1930 年代)

岡田謙三 《巴里風景》1938 年 油彩・キャンバス 53.0×65.2cm 秋田市立千秋美術館蔵

渡米前の作風の変化(戦後~ 1949 年)

岡田謙三 《シルク》1947 年 油彩・キャンバス 202.0×321.0cm 横浜美術館蔵 ( 岡田きみ氏寄贈)

岡田謙三 《五人》1949 年 油彩・キャンバス 202.2×319.2cm 目黒区美術館蔵

ニューヨークで花開いた「幽玄」の世界(1950 ~ 1982 年)

岡田はアメリカで、自身の芸術を方向付けるキーワードとして「ユーゲニズム」(「幽玄」を元にした岡田による造語) を打ち出しました。
幽玄とは、奥深く微妙で、容易にはかり知ることのできないこと。また、あじわい深いこと。情趣 に富むことという意味です。

岡田謙三 《竹》1952 年 油彩・キャンバス 144.5×83.2cm 秋田市立千秋美術館蔵

岡田謙三 《黒と象牙色》1955 年 油彩・キャンバス 182.5×215.5cm 横浜美術館蔵

岡田謙三 《間隔》1958 年 油彩・キャンバス 220.5×172.5cm 目黒区美術館蔵

岡田謙三 《朱》1962 年 油彩・キャンバス 205.2×104.2cm 秋田市立千秋美術館蔵

岡田謙三 《風 No.2》1969 年 油彩・キャンバス 208.0×127.0cm 秋田市立千秋美術館蔵

岡田謙三 《ダブル・ランドスケープ》 1974 年 油彩・キャンバス 198.0×458.0cm 群馬県立近代美術館蔵

関連イベント

大人のための美術カフェ

「岡田謙三 パリ・目黒・ニューヨーク」展を担当した学芸員が展覧会の見どころなどについて話します。

日時3 月22 日(日) 14:00 ー15:00 頃
会場目黒区美術館ワークショップ室
料金聴講無料(但し、当日の観覧券が必要です)
参加方法、定員 当日先着順、30名程度

講演会「48 歳からの挑戦」

「岡田謙三展」(2003~2004 年、横浜美術館ほか)を担当された講師をお招きし、 岡田謙三が1950 年代初期に編み出した制作手法や様式などについてお話いただきます。

日時5 月2 日(土) 14:00 ー15:30
講師柏木智雄(横浜美術館 副館長・主席学芸員) 
会場目黒区美術館ワークショップ室
料金聴講無料(但し、当日の観覧券が必要です)
参加方法、定員 当日先着順、50名程度
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