展覧会

<目黒区美術館30周年コレクション展> ひろがる色と形 1950-60年代の抽象表現から

特集展示 秋岡芳夫全集5 KAKの仕事 河 潤之介・金子 至とともに

概要

展覧会名<目黒区美術館30周年コレクション展> ひろがる色と形 1950-60年代の抽象表現から
特集展示 秋岡芳夫全集5 KAKの仕事 河 潤之介・金子 至とともに
会期2018年2月10日(土)~2018年3月18日(日)
休館日月曜日 ただし、2月12日(月曜日・休日)は開館し、2月13日(火曜日)は休館。
時間10:00〜18:00(入館は17:30まで)
観覧料一 般 600(450)円
大高生・65歳以上 450(350)円
中学生以下 無料
*障がいのある方は半額・その付添者1名は無料。
*(  )内は20名以上の団体料金。
*目黒区美術館では、開館30周年を記念して区民割引を実施いたします。目黒区内在住、在勤、在学の方は、受付で証明書類をご提示頂くと団体料金になります。(他の割引との併用はできません。)
主催等公益財団法人目黒区芸術文化振興財団 目黒区美術館


目黒区美術館の収蔵作品から1950-60年代の抽象表現を取り上げます。油彩の岡田謙三・猪熊弦一郎・古茂田守介・赤穴宏、陶芸の安原喜明、金工の槻尾宗一ほかの優れた作品によって、形や色が織りなす調和をご覧ください。また目黒ゆかりの工業デザイナー秋岡芳夫の仕事に焦点をあてたシリーズ第5回目となる特集展示も同時開催します。 

目黒区美術館30周年コレクション展 ひろがる色と形 - 1950-60年代の抽象表現から

目黒区美術館は、2017(平成29)年11 月に開館30 周年を迎えました。
これまで当館は、近現代美術に様々な角度から焦点を当て、多様な展覧会を構成するばかりでなく、近現代美術の流れとその特徴を理解するための体系的なコレクションをも形成してきました。現在、登録作品数は、当館の収集方針である「明治以降、海外で学んだ日本人作家」や「目黒ゆかりの作家」などの油彩を中心に、素描、版画、彫刻、工芸など約2300 点を数えます。そして毎年、この多様な作品群を、新鮮なテーマを設けた所蔵作品展にて紹介しています。

1.岡田謙三 ≪銀≫ 1954-55 年 油彩・キャンバス 目黒区美術館蔵

2.猪熊弦一郎 ≪コンポジション≫ 1958 年 油彩ほか・紙ボード 目黒区美術館蔵 ©The MIMOCA Foundation

3.赤穴 宏 ≪作品(岳)≫ 1961 年 油彩・キャンバス 目黒区美術館蔵

4.菅井汲 ≪黒い手帖≫ 1963年 油彩・キャンバス 目黒区美術館蔵

今回は当館のコレクションより、1950 年代から60 年代にかけて関心が高まった抽象表現を取り上げます。丸、三角、四角…あるいは名状しがたい形状で表された作品。人や動物、風景といった、私たちが知る具体的なものから離れ、戦後、思い切って新たな表現を志向した作家たちがいました。例えば、50年代に渡米し、自身の抽象表現をさらに推し進め、日本の伝統に通じる表現に発展させた岡田謙三や、《コンポジション》つまり構成というタイトルが示すように、画面上で色や形のバランスを探った猪熊弦一郎、抑制された色彩で情景や心情を描き出すかのような赤穴宏。
そして絵画ばかりではなく、この時代には、立体でも抽象表現が展開されました。「用途がある」という既存の工芸の概念を打ち破るべく、陶による自由な表現を模索した安原喜明や、生活の中に活かせる工芸を目指し、金属によってシンプルな造形を作りだした槻尾宗一。

5.安原喜明 ≪五人の少女≫ 1962 年 陶器 目黒区美術館蔵

6.槻尾宗一 ≪ユニット花器≫ 1955年 鉄 目黒区美術館蔵

本展では、表現方法や制作態度はそれぞれ異なるものの、具象に留まらず、抽象表現によって新たな地平を切り開こうとした作家たちの作品をご覧いただきます。そして、これら出品作の多くは、目黒界隈にアトリエや住まいを持つなど、当館とゆかりの深い作家によるものです。さまざまな抽象表現とともに、当館の30 年にわたる収集の一側面を、お楽しみいただければ幸いです。

出品予定作家 ( )は右の画像番号
【絵画】赤穴 宏(3)、飯田善國、猪熊弦一郎(2)、岡田謙三(1)、桂 ゆき、古茂田守介、菅井 汲(4) 、津高和一
【立体】槻尾宗一(6)、安原喜明(5)ほか 計約40点展示

特集展示 秋岡芳夫全集5 KAKの仕事 - 河 潤之介・金子 至とともに

秋岡芳夫(1920-1997)は、目黒区ゆかりの工業デザイナーです。1950 年代、戦後日本における工業デザインの黎明期に、河 潤之介、金子 至とともに、目黒区中町の自宅に<KAK(カック)> という名称のデザイン事務所を開設(1953 年)、ラジオキャビネット、カメラ、照度計など、光学機器のデザインを得意とし、数々の名品を世に送り出しました。この活気あふれる工業デザイナーグループは、急成長を遂げた日本の工業デザインの発展に大きく寄与していきます。

7.KAK 三人衆 左から河 潤之介、秋岡芳夫、金子 至 1958 年頃(KAK アルバムより)

8.KAK+千代田光学精工株式会社 カメラ ≪ミノルタ≫シリーズ 個人蔵

9.KAK+千代田光学精工株式会社 カメラ ≪ミノルタ V2≫ 1958 年 個人蔵

10.KAK+ 学習研究社 ≪『科学』の付録≫ 個人蔵

2011 年に開催した「DOMA 秋岡芳夫展」以降、年度末に開催している特集展示「秋岡芳夫全集」の第5 回目となる今回のテーマは、このKAK の仕事を取り上げます。3 人すべてが代表取締役であるとし、それぞれの持ち味を活かして多くのすぐれた工業製品を作り出していきました。 3 人は、生活と工業デザインのあるべき姿を常に考え、よく遊び、よく仕事をしながら、デザインに携わっていましたが、沢山のアルバムに残っているその様子は、今見ても新鮮です。本展では、秋岡・河・金子によるKAK の仕事をフォーカスし、カメラ、露出計などの光学機器から学研科学の付録に至る仕事を展示します。さらに、三人三様のキャラクターにも光をあて、河 潤之介、金子 至のユニークな人となりも、KAK 以外のプライベートな仕事を通して紹介していきます。

展示内容 ( )は右の画像番号
KAKデザインのプロダクト及び資料(7~10) 計約50点展示

学芸員によるレクチャー 「大人のための美術カフェ」

展示作品について学芸員が解説します。
日時:2018年3月17日(土)16:30~17:30予定
講師:加藤絵美(目黒区美術館 学芸員)
聴講料:無料(高校生以上は当日の展覧会観覧券が必要) 
*事前申込不要

ハーマンミラー+目黒区美術館 デザインキャンプ #7 イームズの世界を楽しもう


2018ワークショップ春「美術を見る・知るⅢ」


ページの先頭へ